ボツリヌストキシン療法(ボトックスなど)
ボツリヌストキシンは、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の生成するタンパク質で、人体に投与すると神経伝達の抑制がおこります。
局所に投与することで、有害な神経伝達をコントロールすることができますので、この15年ほどで広く使われるようになりました。グラクソスミスクライン社のボトックス®がよく使われています。
保険適応として
・眼瞼痙攣(がんけんけいれん)
・片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)
・上肢・下肢の痙縮(けいしゅく) などに使われています。
また腋窩に注射した場合は発汗抑制作用を示し、重度の原発性腋窩多汗症における過剰な発汗の改善にも保険適応があります。
保険適応外の治療法として
・頭痛治療(片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛)
・各種痛みの治療(膝・肩など)
・花粉症
ボツリヌストキシン療法で使われる製剤は、ボツリヌス菌を死滅後精製して作った製剤です。菌そのものを投与することではないので、体内にボツリヌス菌が入り増えて新たな病気の元にはならないです。
眼瞼痙攣
目の周辺が自分の意思と関係なく痙攣(けいれん)する症状で、進行性の病気です。
まぶしく感じたり、目が乾きやすくなったりすることがあります。
重度の場合は、ほとんど目が開けられなくなります。眼瞼下垂症の方で症状が強い場合は眼瞼痙攣が起こっていることが良くあります。
老人の方で急に発症し目が全く開かなくなることがあります。
病気になっている側の眼輪筋(目を閉めるための筋肉)に局所注射します。保険が効く場合の処置費用は3割負担の方で1万5千円程度です。(注入量が少なくても費用は安くならないです。)
再発はありますが、通常数ヶ月から数年維持が可能です。
薬の注文に対して届け出が必要なため、初回はそのための診察だけとなることがあります。ご予約の上、ご来院下さい。
片側顔面痙攣
顔の半分が自分の意志とは関係なく痙攣(けいれん)する病気です。目の周りの痙攣から始まり、頬、口、顎や額へと症状が広がります。重症になると顔が歪むことがあります。
現在はボツリヌストキシン療法で痙攣している筋肉を動かなくさせて治療することが多いですが、並行して原因検索を行う必要があります。検査の結果で脳外科医での手術が必要になることがあります。
ストレスや疲れに誘発されておこりますが、真の原因は頭蓋内の血管・腫瘍による顔面神経の圧迫です。
精神的な原因で痙攣が起こる場合はボツリヌストキシンを注入した以外の場所で痙攣が新しく始まることがあります。
病気になっている側の顔面筋に局所注射します。保険が効く場合の処置費用は3割負担の方で1万5千円から3万円程度です。薬の注文に対して届け出が必要なため、初回はそのための診察だけとなることがあります。ご予約の上、ご来院下さい。
重度の腋窩多汗症
より効果が高いエクロックゲル・ラピフォートワイプ・アポハイドローションなどが処方可能となりましたので、治療は終了となりました。
頭痛
各種痛みの治療
現在の所、肩と膝へは保険の適応外となりますが治療を行っています。
費用は自由診療の診察料などを含めて片側で40,000円です。 (予告なく変更することがあります)
その他の部位で表面に近い部位の痛み・痙攣・固縮はご相談ください。
腰痛の方で治療希望の方は適応の可否につき、主治医とご相談の上で診療情報提供書をお持ちの上でご来院ください。ただし、こちらでの診察の結果治療をお断りすることがあります。
花粉症
鼻から粘膜に垂らすだけで、数分後から頑固な鼻水、目のかゆみなどのつらい症状がやわらぎます。眠くなる成分がないのが最大の利点です。痛みなどはなく、施術は5分程度で終わります。同時に血管収縮作用のある薬剤を使用しますので、鼻のつまりが一時的にですが強く解消されます。
効果は2-4週間程度続きます(個人差があります)。効果の持続には継続的に治療を行うことをおすすめします。
1回目 11000円
2回目以降 追加で半量投与の場合6600円 (3ヶ月以内に再度希望される場合)
別途自由診療の診察料1100円がかかります。施術はボトックスの後発品を使用します。
向いている人:
○各種の花粉症治療でも鼻水がなかなか減らない人
○花粉症の薬で、眠くなってしまっては困る人
○目が痒いが、他の病気があって花粉症用の目薬が差せない人
○鼻からの分泌物が多くて困っている人
料金について
治療にかかる費用は、料金表をご覧下さい。