手足の筋肉の突っ張り(上下肢の痙縮)
脳卒中、脳性麻痺、頭部外傷、脊髄損傷などの後で、手足の筋肉の突っ張り(曲がったまま、伸びたまま、閉じたままなど)で日常生活に不便を感じる場合は、ボトリヌストキシンの局所注入でその部位を柔らかくし、生活の質を上げることが可能です。
具体的には
・脇が閉じたままで、着替えに時間がかかる。
・手首が曲がり、袖に手が通しにくい。
・指が曲がったままで、爪が切れない。皮膚を傷つける。
・手が広がらず、手のひらを洗うのに苦労する。
・手足の関節が震える(反射性収縮がおきる)。
・足が突っ張ったままで、立つときに苦労する。
・歩行時にかかとが浮いてしまう。
・足の指が曲がったままで、歩くときに痛みが生じる。
・足がねじれて歩けない。装具がはまらない。
などの症状に対しては該当部にボツリヌストキシンを注入するだけで良くなる可能性があります。
逆に治療せずに放置すると拘縮に移行し、筋・腱の切離(外科手術)が必要になることがあるので注意が必要です。
上肢では最大で240単位・下肢では最大で300単位のボツリヌストキシン注入が行われます。