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診療科目

美容皮膚治療:毛孔性苔癬

毛孔性苔癬は二の腕のぶつぶつなどと呼ばれている病気です。

毛孔性苔癬の概要

 いわゆる「二の腕のぶつぶつ」には毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)という名前がついています。
 思春期をすぎたあたりから、肩から二の腕の外側にかけて(上腕の外側)、あるいは、太ももの内側(大腿内側)、膝より下ですね以外に良くできます。

 肩からつながるように背中にまで広がっていることもあります。
毛 穴がつまったような感じで直径2~3mmの丸く盛り上がり、赤みがかった状態になります。よく見ると、穴の真ん中にうぶ毛が見えていることがあります。
 
 この疾患は、毛穴の出口周辺が角化が過剰である事が原因で、これによって皮脂などたまり、細菌感染があかくなります。


 顔でも同じようなことが起こり、その場合は毛が薄いため見えないことと、角化が弱いため折りあがらないことから同じようには見えず、ニキビと呼ばれます。
 ニキビのように赤く大きく拡がらないのは、顔の皮膚に比べ固いため貯留できる皮脂の量が少ないこと、あるいは顔に比べて元々皮脂の分泌が少ないためです。
 

 通常、毛孔性苔癬はニキビとちがい、一つの赤みが周りに拡がっていくことは、まずありません。また、凹んで治ることもありません。

 しかし、顔と違って、患部が日に焼けないため地肌の色が薄いことがあり、赤かったところのみが色素沈着を起こし茶色くなって目立ってしまうケースもあります。

美容皮膚治療: 毛孔性苔癬の治療

 普通の皮膚科では、良くなる病気であることを知らないことが多いので、治療してもらえないことすらあります。

 処方されるとしたら、毛穴の出口を柔らかくして出来るのを防ぐために、尿素配合のクリームが多いと思います。ぶつぶつが固い場合にはサリチル酸ワセリンのように少し皮膚を薄く溶かす薬が処方されることもあります。

 赤みを抑えるために、ヘパリン類似物質の配合されたクリームを処方されることがありますが、効果は疑問に感じます。角質に水分を与えるためには尿素配合軟膏の方が有効と思われます。ただこれを使っても、貯留物を外に出す働きはないので効果は限定的です。


 以前は、角化が衰える30代くらいで治ることが教科書に書かれていましたが、最近そうではなく中高年でも治らないケースが良くあることも知られるようになりました。

 保険外の治療としては、ピーリング、レチノイドの外用・内服、レーザー脱毛、等があります。


 ピーリングでは、肩の皮膚は顔に比べて硬く厚いために、やや強めの薬剤が使われます。
 毛穴にある皮脂腺の働きを抑える必要がありますので、永続性を考えると、脱毛レーザーが良いと思います。ピーリング、レチノイドは残念ながら永続性はありません。
 毛穴、および周囲の赤みが強い場合には、脱毛レーザー単独での治療は不向きです。赤みを抑えるために、毛孔性苔癬専用のネームクリーム®を開発しました。


 当院でのおすすめは脱毛レーザーもしくは必要に応じてネームクリーム®の治療になります。

 

 背部で皮脂が多い場合はアルドステロン拮抗薬の内服をおこなうことが多いです(症例3)。

 

 これらの治療には健康保険の適用はなく自由診療となります。費用は個人差があり方法などで違ってきます。

 

症例1

 思春期から存在する毛孔性苔癬
 尿素配合軟膏以外での治療歴無し

 治療前の写真です。
 脱毛レーザー+毛孔性苔癬用のネームクリームで治療開始

 レーザー後1ヶ月目の状態です。

 ぶつぶつの数は変わらないか、一時的に悪化していると思います。
 周囲の赤みは、ネームクリームの影響で減る傾向にあると思います。

 治療後4ヶ月目の状態です。

 赤いぶつぶつの数の減少、赤みの低下に加え、周囲の皮膚の赤みもなくなってきています。
この間、脱毛レーザーは合計2回照射、ネームクリームは中止期間が1ヶ月ほどありましたが、この写真までの2ヶ月ほどは連続使用しています。

 同じ場所であることは、BCGの跡から分かると思います。

症例2

 18歳女性 小学校高学年からの毛孔性苔癬

 毛孔性苔癬は毛穴に一致して膨らんだり、周囲が赤くなる病気です。

 拡大すると、このようになっています。

 毛穴の中では、細かい毛が曲がって生えている事があります。

 脱毛レーザーを照射することで、毛穴にダメージを与え、異常な角化を阻止し、分泌物を出させなくできます。
 この患者様では、周りの赤みがないのでネームクリームは使っていません。

 

 

 レーザー照射一ヶ月後の状態です。

 拡大画像では、異常な膨らみが無くなり、何となく茶色くなっているだけです。この茶色(色素沈着)は待っていれば無くなりますので、次第に分からなくなります。

 この患者様は、1回でかなりの効果がありましたが、残っている膨らみを除去するのに2回レーザーを追加しています。

症例3

 背部にできた場合の治療例です。
 個人によっては、もっと盛り上がってニキビに近い状態になることがあります。

 

 アルドステロン拮抗薬の内服を4ヶ月使用してもらっています。

 

治療前
治療前
治療後
治療後