しみ、そばかす、にきび、赤ら顔など美容にお悩みの方 学芸大西口クリニック
診療科目

眼瞼下垂症手術

眼瞼下垂症への積極的な治療をおこなっています。

最近は短時間で終わる、ほとんど皮膚を切らない方法で手術しています。

概要

 年をとると眼瞼挙筋という筋肉が、まぶたにくっついているところからゆるんだり、外れたりして目が開けにくくなってしまいます。これを治す手術を眼瞼下垂症手術といいます。

 この手術の良いところは

・視界が広く、よく見えるようになる。

 という直接的な恩恵の他に、

・額の皺などが消える。
・片頭痛が軽減する。
・緊張型頭痛が軽減する。

 事が知られています。

 眼瞼挙筋が良く効かなくなったために、ミューラー筋(眼をがどれくらい開いているかを調節する筋肉)を過剰に働かせて脳に緊張を与え続けていることが片頭痛の原因のひとつと考えられています。手術によって緊張が取れるため、片頭痛が治まってくるようです。

 (一般にはミュラー筋が収縮すると、交感神経が緊張する必要があります。交感神経が常に緊張していると頭痛・肩こり・手足の冷え性・不眠などを生じるものと考えられています。)

 眼瞼下垂の症状のある方に対しては、保険適応で、料金は、健康保険適応の場合・負担率3割で約4万3千円です。薬剤費、違う手術術式と同時に行う場合の費用、麻酔料金などがかかることがありますのであくまで目安です。

 まぶたの傷は早く治る特長があり、傷跡はすぐにわかりにくくなります。
 
手術の結果として、二重をはっきりさせることも可能です。眼瞼内反で、まつげが角膜に触れて困っていることも改善することが多いです。
 

眼瞼下垂手術の実際(通常の皮膚を切る前転法)

 眼瞼下垂症の方のまぶたを横から見ると、下の様になっています。


 術前 青い丸が眼輪筋、オレンジが眼瞼挙筋の筋体、緑が眼瞼挙筋腱膜、赤がミューラー筋を表しています。


 眼瞼挙筋腱膜はまつ毛近くの眼輪筋・瞼板上の組織に付いてる状態になっています

 ミューラー筋が付いている部分は瞼板といって、眼球を守る軟骨状の板です。ミューラー筋も眼瞼挙筋について、目を開けるための力になります。(

 手術をして、余分な皮膚、眼輪筋を切除し、眼瞼挙筋腱膜に力が伝わりやすいように瞼板に糸(赤丸)で止めた状態です。

 

 力学的に眼瞼挙筋が正しく働くようになるため、前頭筋や後頭筋・僧帽筋が使われなくなり緊張型頭痛・肩こりの軽減につながります。

 眼瞼挙筋腱膜の固定により、ミューラー筋が使われずに、延ばされなくなった状態です。ミューラー筋に緊張が無くなることで、片頭痛や自律神経症状が改善するとされています。


先天的眼瞼下垂

20代女性、右の眼瞼下垂症の患者様です。
下垂自体は重度ですが、額の筋肉を使って目を開けているのでそれほど目立っていません。この若さでこれほどの症状がある場合は、先天的な眼瞼下垂といって良いでしょう。症状はあるものの、額の筋肉での代償が効いているので、見逃されてきた様です。



手術は局所麻酔下に、皮膚の切除+上眼瞼の構成要素の剥離と、再固定を行っています。上は手術後1週間後の状態です。典型的な前転術より剥離範囲が狭いので、内出血もほとんど無く開瞼の度合いも改善しています。

 

16週間後の様子です。右目を大きく開けるためにおでこの筋肉で引き上げていたために術前は左目が大きく見えていましたが、右目が良く開くようになったため額の筋肉が動かなくなったので左目は小さくなっていることが分かります。(Hering’s Law という現象です。)