赤ら顔
レーザー不使用例
赤ら顔のなかでレーザー治療が有効なのは、肉眼で線状・網目状に見える血管がある場合に、ほぼ限られます。
ぼんやり赤みがある状態では、血管の拡張があってもレーザーの射程圏外であるか、皮膚そのものの炎症が強く、血管をレーザーで壊しても、照射したエネルギーでまた血管拡張をおこすので、無効であることが多いです。
症例1 40代女性 両頬の赤み
40代女性:頬の毛細血管拡張の認められる患者(他院での長年のレーザー治療後)
各種治療前
頬の拡大画像
他院で各種のレーザー等の治療をおこなっても改善されないので来院されています。初診時の拡大鏡上の画像では、毛細血管拡張自体は存在しますので、脂漏性皮膚炎が存在するので治療効果が弱かったと考えられます。
治療後
上の画像で赤い線のように見えるのが、どちらかと言えばレーザー治療の良い適応となる皮膚の毛細血管拡張です。
治療効果としては弱いですから、元々適切な出力のレーザーでなかったか、皮膚炎が強く血管の再生能が高いため、十分な効果が得られなかったのではないかと考えます。
毛穴に一致して黄白色の突出物は皮脂そのもので、通常ではこのようには見られないので、これが脂漏性皮膚炎の原因と成り、疾患の改善の停滞を招いていることが推察されます。
左は皮脂を減らすための抗アルドステロン剤の使用と血管を収縮させるためのネームクリームを組み合わせて5ヶ月治療したところです。
残念ながら一部の毛細血管は見えにくくなるも残存していることが分かります。鼻の周りの血管は長期間の治療が必要なことが分かっています。また太い血管は収縮しにくいことが分かっていますので、この方のような場合はレーザーも使用して良いと思います。
(注意)
医師による正しい検査に基づく診断の上での治療が前提となります。
治療によって、同じ効果が必ずしも得られることを保証する物ではありません。
他院で同じ治療を受ける事は出来ません。
治療にかかる費用は保険治療の対象外で、金額は疾患と範囲と個人差がありますので治療前に分かることはありません。